大麻と乳がんに関して知っておかなければならないこと

大麻が腫瘍の成長を遅くする可能性があるという、信憑性の高い実例の証拠が挙がってきている。

乳がんは、女性が罹患する2番目に多いがんだ。10人に1人が何らかの影響を受けるとされている。治療法には、化学・放射線・外科手術など様々なものがある。しかし、それらどれもが心地よいものとは言えない。さらに、いくつかの腫瘍は残存してしまい、再発することもある。

最小限の副作用で効果的な外科手術ではない対処法を発見することが理想的だ。そのような治療法は存在するのか?それとも、手の届かない幻想でしかないのか?

素晴らしいことであるが、実際に大麻が腫瘍の成長を遅らせることを示唆する信憑性の高い実例証拠が出ているのだ。血管を悪用する目的(つまり血管新生)で乗っ取り、体内にがん細胞が循環すること(つまり転移)を阻止し、実際に死を早める(つまり自食・細胞死)といった作用を阻止することで、腫瘍の成長を遅らせることができるという。つまり、大麻は実際がんと戦うことができるということだ。

目をくらますような驚きを与えているはずだが、詳細を説明させてもらいたい。「がん」というのはあるひとつの現象のことを指すものではない。様々な形態があり、それぞれ別のものとして研究する必要がある。例えば、乳がんにうまく作用したとしても、それは結腸がんには当てはまらないこともある。しかも、存命の患者を対象とした研究は行われていない。現在入手できるデータは、組織サンプルと実験室のマウスから提供されるものだ。

つまり、大麻がん薬のようなものはない。また、近年中にそのようなものを手にする可能性も低い。

研究者は、1990年代から大麻における抗がん作用について文書に残してきた。しかし、2007年に乳がんに関して大きな突破口が開かれた。ショーン・マックアリスター博士が、テトラヒドロカンナビノール(THC)の向精神作用がない同種のカンナビジオール(CBD)が、 ID-1遺伝子を止めることでがんの最も悪性の状況を食い止めることを証明した。胚芽の状態では猛烈に活発であるが、その後完全に胎児まで成長すると、機能を停止する遺伝子だ。もし、 ID-1遺伝子が後になって活性化した場合、それは原因不明で発生することだが、悪性や浸潤性腫瘍という不本意な産物を発生させる。

マックアリスター博士の論文発表以降、この発見を確証したり発展させる研究が発表されてきた。もし興味があり化学書に挑戦したいのであれば、2012年のこの研究に関するレビューで素晴らしいまとめが掲載されている。その著者は、マドリードのコンピュテンス大学で高度がん研究に取り組んでおり、少なくとも、試験官実験とマウス研究において、CB1とCB2(順にTHCとCBDを意味する)受容体に作用するカンナビノイドは、「抗がん作用」があるが、健康な組織への害はないと結論づけている。この結果は、国立がん機関(National Cancer Institute)で認可されており、これにより、カンナビノイド受容体は乳がんにおいては「潜在的標的の可能性がある」と明示することになる。

全体規模の治験に向けた次の段階として、レビューの著者は最も効果があるカンナビノイドやその調合を特定することを推奨している。2014年の研究を行なった研究者が、この特定に挑んでおり、何とも陰鬱でSFのような名称であるO-1663を含むカンナビノイド化合物が、THCとCBDの調合よりも、マウス実験において乳がん腫瘍根治と延命に作用することを発見した。

現段階では、これがカンナビノイドと乳がん研究の最先端である。

研究が進む中、症状改善策のひとつとして、SativexというTHC・CBDを複合した口腔スプレーが、乳がんによる痛み対処としてアメリカで治験が進んでいる。(ヨーロッパとカナダでは別の用途でこのスプレーはすでに認可されている。)

あわせて読みたい