ブロックチェーンを利用した、大麻関連産業用決済システムが誕生

銀行口座なしで事業を運営するのは至難の業だ。大麻産業では、日常のことである。連邦で違法とされている製品による収入を銀行は処理できないからだ。新規決済システム会社MTracは、大麻関連事業に銀行問題の解決策を提案することを目的としている。

6月に設立されたサンディエゴ拠点のMtracは、ブロックチェーン技術を使い、顧客から販売者へ実世界の通貨の電子情報を送るGlobal Payoutの子会社だ。当初は、直接販売者の電子マネーとして現金送金する前に、顧客がまず繰り返し利用が可能なMtracカードに現金を入金することでチャージできる「電子マネー」として携帯電話アプリ・売店で使用できるものとして導入されたが、この技術はiPadやpin pad用の決済システムとして使われるようになった。

MTrac戦略責任者ストーミー・サイモンは、このシステムを導入することによって、企業は給与計算・家賃・監査や収益報告のレポートを作成する際のデータ上のチェックを省略することができる、という。

「MTracそのものが、銀行当座口座の代替えとなる。効率的に財政管理ができ、あらゆるニーズに応えることができる。」とサイモンは語る。

MTracは、現金ベースでの取引に伴うリスクやコストを軽減することもできるという。例えば、そのような事業者は現金を店舗などの現場で管理するので、強盗の標的になりうる。大麻ストアは、24時間の武装セキュリティ・カメラの設置とCCTVの記録を90日間保存することが義務付けられている。

カルフォルニア事業監査部政策次官リラ・ミラシディは、MTracや同じような製品を提供を試みる企業がいることも把握している、と言う。クレジット組合(国の監査ではなく、州での監査対象)も、大麻の銀行問題に興味をもっており、ミラシディ氏も、問い合わせを受けているとのことだ。

「もし大麻業者をクライアントとして検討するのであれば、リスクが高い相手だということを踏まえる必要がある。」とミラシディ氏は言う。

大麻はスケジュールIの薬物であり、金融機関は、もし大麻企業に銀行商品を提供すると、銀行秘密保護法と米国愛国者法に抵触する危険性がある。これらの法律は、銀行が犯罪行動に結びつく可能性のある資本を処理することを禁じるものだ。

ヒーリング・センター・サンディエゴ(Healing Center San Diego/THCSD)とマンカインド・コレクティブ(Mankind Collective)の2つが、現在(Mtrac)を使用するサンディエゴの薬局だ(ラスベガスでもこの技術は使用されている)。THCSDの執行マネージャースコット・ミヤザキは、HeroPayやFirst Dataのような他の決済システムを検討していたが、8月にMTracを導入することを決定した。MTracを導入する利点がある、例えば同社は現地企業であり、地域ならではのリクエストに対応して、すでに同じような現地企業との取引がある(6月に導入開始したマンカインド(Mankind))。

THCSDは、売店にMtracを導入しておらず、顧客はクレジットカード払いをするためには、事前にMTracアプリをダウンロードする必要がある。売店や携帯アプリは、MtracのiPadやpin padの決済システムを使う流れに変更され始めている。

ミヤザキ氏は、MTracを使用する場合の方が多くの商品を購入しており、同社がチャージバックも保証していることを好んでいる、と認識している。顧客からの目立った苦情といえば、MTracでの取引は明細に「キャッシュレスATM(Cashless ATM)」と記載され、混乱するというものだ。

しかし、これも改善まで時間がかからないようだ。THCSDチームは、MTracは今後システム改良に関する報告を随時受けていると言う。

THCSD共同オーナーのレイ・テイラー(Ray Taylor)は、いつか実際の銀行口座を使用することを期待している。自身の事業から第三者の介入やリスクを排除したいと語る。

「今後、何十億ドルもの収入がある見込みであり、状況は変わるだろう。貪欲さこそ、企業と政府の最大の動機になる。」とテイラー氏は言う。

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